イギリスが日本同様の島国であることは分かる。しかし我々日本人にとっては全く意外なことではあるが、この地政学分野の人達の間では、アメリカは自分達では大西洋と太平 洋に挟まれた島国(つまり海洋国家)
だと思って今日まできた、ということが常識になっている。「たとえばアメリカ外交は大西洋によってヨーロッパから隔絶していること、そして西に膨張可能なフロンティアが存在したことの二つの大きな地理的
特長によって規定されてきたし、今もそうである」。
(中略)またこの米国人の島国意識はかなり根強いものがあったからこそ、今日でも国際的にアメリカの軍事力で最も強力なのは、海軍と海兵隊であるといわれている。とりわけアメリ カにおける海兵隊の存在は
独特なものであって、陸・海・空の三軍以上に決定的な有事即応能力を重視する厳しい選抜と、少数精鋭主義の訓練を経た一種のエリート集団として意識され、海兵隊出身者は社会的にも敬意をもって遇されており、政治家をはじめ各層で著名な活躍をしているケースも多い。