政府は二日、国際協力銀行(JBIC)の海外支援業務のあり方を議論する
「海外経済協力に関する検討会」のメンバー六人を決定した。年内に初会合を
開き、来年三月までに検討結果をまとめる。日本のこれまでの政府開発
援助(ODA)政策に批判的な論客揃(ぞろ)いで、円借款の扱いだけでなく、
ODA政策のあり方そのものをめぐる本質的な議論に発展するとみられる。
主導権を手放したくない外務、財務両省の巻き返しも激化しそうだ。

 「小泉純一郎首相と『相談』して決定した。麻生太郎外相にも『連絡』した。
中立的な立場から議論していただく観点から、バランスを取った構成にした」

 安倍晋三官房長官は記者会見で、メンバーは自らの主導で人選したことを
強調した。検討会の設置が決まったのは十一月二十九日。それからわずか
三日後というメンバー発表。息のかかった人物を検討会に送り込みたい外務、
財務両省の「横やり」を阻止する姿勢がうかがえた。安倍氏は「公平な立場から
議論を取りまとめてもらう」と、法律家で政府系金融機関改革に関して発言を
してこなかった原田明夫前検事総長を座長に据えたが、全体的に「安倍カラー」の
にじむ布陣だ。

 とりわけ、安倍氏と親しい葛西敬之JR東海会長は、外務省の中国へのODA
供与に批判的な立場を貫き、中国の新幹線建設計画では「日本企業の利益に
ならない支援はしない」と協力を拒否したことで知られる。古田肇岐阜県知事も
経済産業省出身ながら、外務省改革の一環で同省経済協力局長に起用され、
ODA改革に取り組んできた経験がある。

(以下略)

ソース:産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051203-00000004-san-pol