【韓国】盧大統領４年目へ　改革「死に体」　内外で正念場[02/24]

猫の手βφ ★

【ソウル２３日原田正隆】韓国の盧武鉉大統領は二十五日、就任四年目に入る。
就任当初に８０％台を誇った支持率は２０―３０％台の間で長期低迷。任期を
二年残しながら、メディアから既に「レームダック（死に体）」の烙印（らくいん）を押され、
今後も「内憂外患」の厳しい政権運営を強いられそうだ。

■内政「暮らし後回し」に不満

「経済の二極化（貧富の差）解消、雇用創出、福祉拡充に全力を挙げる」。
盧大統領が年頭からテレビ演説などで国民に向けて強調している言葉だ。
韓国政治・経済の専門家は一様に「この三年間、盧政権の『政治過剰』が
経済・消費活動を委縮させた」のが不人気の最大原因と指摘し、「ここに来て
大統領は五月末の統一地方選もにらみ国民生活の安定を主張し始めた」とみる。

金権政治、汚職、財閥・大企業既得権の打破など政治経済システム改革で
一定の成果を挙げたと評価される大統領。しかしさらに「地域主義打破」
「過去史清算」「新行政首都建設」などに傾注するあまり、不況、地価高騰、
少子・高齢、教育など生活分野への対策の遅れが顕在化し、国民の不満は
増幅する一方だ。

「与野党間、地域間の深刻な対立を解消する」として昨夏、唐突にぶち上げた
「大連立政権構想」の挫折や、その過程での「任期途中辞任」「野党への政権移譲」
発言もあって、国民の間には盧政権に対する不安も広がった。当初は斬新に
映った一連の改革主義がかえって世代間対立やイデオロギー対立、国会の混乱を
深めた面があり、大看板の「国民統合政治」「参与政府（国民参政）」は風化している。

■外交「親北・反米」に増す不安

「自主外交」「北東アジアのバランサー（均衡者）」を唱える盧大統領は、
同盟関係にある米国、日本から、北朝鮮、中国に外交の軸足を移し、特に
「親北・反米」色を濃くしている。

対北朝鮮支援額は二〇〇五年に一億五千万ドルを突破し、対北太陽（包容）
政策を敷いた金大中前政権時代の二倍超となった。これにより南北融和・交流は
さらに進展したものの、北朝鮮核問題の解決にはなかなか結び付かず、
「金正日総書記への配慮ばかりが目立つ」と国民やメディアの批判が高まっている。
最近では、韓国人拉致、脱北者など北朝鮮人権問題に対する盧政権の弱腰ぶりも
非難の的となっている。

北朝鮮偽ドル札問題へのあいまいな対応は、米国との新たな摩擦も生んだ。
対米関係では、「自主国防」を強調しながら、朝鮮半島有事時の在韓米軍作戦
指揮権を韓国軍に返還するよう要求するなど、北朝鮮や半島安全保障をめぐる
米韓間の溝は深まっている。盧政権の対米姿勢とは裏腹に、最近の各世論調査では
「米国離れ」を不安視する声が増えるばかりだ。

冷え込みが続く日韓関係。盧大統領は「靖国・竹島・歴史教科書」を“対日三点セット”
と位置付けて「譲歩なし」を明言し、関係改善を事実上棚上げしている。

韓国の市民団体が最近、盧大統領在任三年間の評価について各界有識者
四百二十六人を対象にしたアンケート結果は、五点満点の平均で二・四三点だった。
各世論調査の支持率も２０％台後半から３０％台前半。盧政権のイメージとして
「アマチュア」「左派」「不安定」を挙げる国民が多い。

盧政権ウオッチャーの朴孝鍾（パクヒョジョン）ソウル大教授（国民倫理）は
「政策推進へ意欲はあったが、手法が分からずに慌てた三年間だった。
増税による経済二極化解消を図ったり、過去史への執着、無理な大連立政権
構想によって国民の支持を低下させた」と指摘した上で「四年目からは国民の
コンセンサス集約に最善を尽くすべきだ」と注文する。

ソース：Yhaoo!ニュース：（西日本新聞） - 2月24日2時13分更新

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